ホオノキ

朴の木 Magnolia obovata モクレン科の落葉高木。日本の特産種で,各地の山地の林中に生える。幹は直立してそびえ高さ20m,直径1mにも達し,帯白色の樹皮をもつ。上方でまばらに分枝した枝には,倒卵形で長さ30cmに達する大きな葉をやや輪生状に集めてつける。葉の裏は粉をふいたように白い。また若芽は赤みを帯びて美しい。5月頃,枝の端に径約20cmもの帯黄白色の花をつけ,強い香気を放つ。花弁,おしべ,めしべとも多数あり,タイサンボクの花に似ている。秋に長楕円形の果実となり,中に白い糸を引く赤い種子ができる。材は柔らかく黄色みを帯び,版木,刀の鞘,下駄の歯などに使われる。また古くから葉を握り飯や味噌などを包むのに用いた。