キノコ

名前 英名 写真 説明
シイタケ Lentinus edodes
(Cortinellus shiitake)
ヒラタケ科。
ナラ,ミズナラ,カシ,クヌギ,シイなどの広葉樹林の枯れた幹に天然に着生,まれに針葉樹の倒木や切り株に発生するが,一般的には榾木(ほたぎ)上に栽培される。傘は径5〜10cmの円形で,まれに20cm以上になる。生える向きによってやや腎臓形になる。表面は茶褐色または紫褐色,乾くと黒みがかる。しばしば濃い色の鱗被をもっている。柄は長さ3cmぐらいで,強靭である。一種の香気をもち,味もよく,すぐれた食用キノコである。
ナメコ Pholiota nameko モエギタケ科スギタケ属。
一名ナメスギタケ(滑杉茸)。秋に,ブナなどの広葉樹の枯れた幹や切り株上に群生する。傘は径2.5〜10cm,半球形,次第に広がって扁平になる。太さ0.1〜1cm,長さ3〜10cmの柄をもつ。傘の上面,中央は茶褐色,周辺は黄褐色。日を経ると淡色になる。縁は薄く初め内屈して膠質の膜片がある。胞子紋は暗褐色。栽培しやすく,美味で,近来は罐詰や壜詰、パック詰めも市販される。
クリタケ Naematoloma sublateritium モエギタケ科クリタケ属。
秋に,広葉樹林の枯れ木や切り株の根もとに群生する。傘は径3〜8cm,半球形でのちに平らに開く。茶褐色で肉は黄白色。柄は径0.8〜1.5cm,長さ5〜10cm,上半は黄白色,下半は褐色。
ヒラタケ Pleurotus ostreatus ヒラタケ科ヒラタケ属。
別名アワビタケ(鮑茸)、カンタケ。春から秋に種々の広葉樹,まれに針葉樹の枯れ木や切り株に多数重なって生じる。傘は径5〜15cm,貝殻状ないし扇状で,一側に片寄って長さ1〜4cm,太さ1〜2cmの柄がついている。傘の表面は白色ないし灰褐色。胞子紋は白色または淡紫色。日本全土に分布し,美味の食用キノコの一つ。カンシメジや単なるシメジの名前で販売されることが多い。
ムラサキシメジ Lepista nuda キシメジ科ムラサキシメジ属。
秋に,林地内の地上に群生または孤生する。傘は径3.5〜8cmで初め球状,丸山形を経て平らに開く。中央はややくぼみ紫色,のちに汚桃色となり,さらに褐色を帯びる。ひだは傘と同色。柄は長さ4〜8cm,太さ0.5〜1cmで中実,これも傘と同色。胞子紋は肉色ないし淡桃色。食用になる。北海道,本州に分布する。
キウロコタケ Stereum hirsutum
(黄鱗茸)
非食用
担子菌類ヒダナシタケ目コウヤクタケ科。
広葉樹の枯れた材上に広がってつき,のちにそり返って半円形または扇形になり多数重なって瓦をふいたようになる。横倒しの材の下面などでは背で着生する。径1〜3cm,ときに10cmをこす大きな塊ともなる。革質,表面に短粗毛が同心円状に生え,淡黄色,下面は淡黄色または帯褐赤色。褪色すれば黄色になる。この菌は著しい木材の白腐れを起す害菌で,しばしばシイタケの榾木(ほたぎ)をもおかす。
ハタケシメジ
ヌメリスギタケ Pholiota adiposa(滑杉茸) 担子菌類マツタケ目モエギタケ科。秋にブナ,ハンノキなどの切り株,枯れ幹その周辺に発生する。傘は径5〜12cm,丸山形のちに平らに開き中央が少し高まる。表面は粘性があり黄褐色,周辺は黄色。ひだは黄色で熟すると褐色。長さ5〜10cmの柄をもつ。なお傘の表面および柄に褐色の鱗被がみられる。胞子紋は錆色。すぐれた食用キノコで人工栽培も可能である。北海道,本州に産し,小アジア,北アメリカ,ヨーロッパにも分布する。
マンネンタケ Ganoderma lucidum(万年茸) 担子菌類ヒダナシタケ目サルノコシカケ科。ウメなどの広葉樹の切り株,枯れ木の根もと,まれに生木の幹上に生じる。子実体の殻皮がコルク化して硬くなり,サイワイタケ(幸茸),レイシ(霊芝)とも名づけられている。子実体の傘は腎臓形,まれに円形となる。円柱形の柄を側生する。傘の大きさは長径5〜13cm,厚さ1cmぐらい,表面の殻皮はなめらかでつやがあり,赤褐色または紫褐色。下面は黄白色,コルク質,成熟すると肉桂色を帯び,細かい円形の孔口をもつ。茎は太さ0.6〜2cm,長さ3〜15cmとなり,黒色で漆を塗ったような光沢がある。胞子は卵形,淡黄褐色。日本全土,北半球に広く分布する。形,色などがおもしろいので好んで飾り物などにされる。この菌は腐生性であるので,広葉樹のおが屑に栽培してキノコをつくらせている。類似種に針葉樹に生じるマゴジャクシがある。
ナラタケ Armillaria mellea subsp. nipponica カサは饅頭型から浅い皿型に開く。粘性はなく、幼時は汚白色、のち黄土色、成熟すると茶褐色となり、暗褐色の細片鱗に中央部ほど密に覆われる。周囲には条線がある。ヒダは、垂生しやや疎。幼時、白色。のち汚褐色となり、老成すると赤褐色のシミを生ずる。柄は中実。上部に薄い膜質の帯黄色のツバがありる。表面はカサと同色かやや淡色、成熟すると繊維状のダンダラ模様がある場合がある。ツバより上は条線がありヒダまでつながる。肉は白色で、ほのかに渋みがあり無臭。
スギヒラタケ Pleurocybella porrigens 有毒、2004年までは北国では一般的な食用キノコとして知られており、肉質は薄いわりには歯ざわりが良く、味は淡白でくせがないため、和え物や味噌汁の具として、また塩漬けにして保存食として重宝されていた