夏山の花木

名前 漢字 学名/英名 説明
エゴノキ Styrax japonica
エゴノキ科。
ジャパニーズスノーベル、チチャノキ、ロクロギともいう。落葉小高木。花期5〜6月
カキ Diospyros kaki/
Persimmon
カキノキ科の落葉高木。
中国原産であるが,古くから栽培され,品種はきわめて多い。高さ3〜9m。よく枝分れする。7〜15cmぐらいの楕円形の葉は明るい緑色で互生する。雌花と雄花があり,雌雄同株であるがかたよって生じることが多い。6〜7月頃,浅い鐘状の花が咲く。4枚ある萼片は緑色,花冠は白色で壷状,上部が4裂する。雄花は小さく3個ぐらい集る。おしべは16本。雌花は大きく単生し,1本のめしべと未発達の8本のおしべをもつ。果実の形は品種によってさまざまで,茶色の扁平な種子は透明な胚乳をもつ。東アジア各地で栽培されるが,甘柿は日本独特のもの。富有柿,御所柿,次郎柿などが代表的である。渋柿は広く各地に植えられ,身不知(みしらず),蜂屋など多くの品種がある。
ガマズミ Viburnum dilatatum/
Dockmackie
スイカズラ科ガマズミ属落葉低木。
日当たりの良い浅い山に多い。ヨソゾメ、ヨツズミ、ネソとも言う。
クサギ Clerodendron trichotomum Thunb. クマツヅラ科クサギ属落葉小高木。
8〜9月に白色〜紅色の花を咲かす。枝や葉の上を、花序が一面覆うように開花するさまは綺麗。甘い芳香があたりにただよい、鑑賞にも耐える。ヨーロッパでは庭木などにされるという。
コアジサイ 小紫陽花 Hydrangea hirta ユキノシタ科の落葉小低木。シバアジサイともいう。関東地方より西の本州と四国の山地に普通にみられる。初夏の頃,枝の先端に上面の平らな散房花序を生じ,淡碧色の細かな両性花を多数密につける。他のアジサイ類にみられるような大きな装飾花はない。
コウゾ Broussonetia kazinoki/
Paper mulberry
クワ科の落葉低木。
西日本および朝鮮半島に分布する。古くは樹皮の繊維で布を織り,ユウ(木綿)と呼んだ。
サルトリイバラ 山帰来 Smilax china ユリ科の蔓性落葉小低木。
カシハモチノハ、カシハノハ、カメノハ、カメイバラ、ガメシバなどとも呼ばれる。
シモツケ 下野 シモツケはユキヤナギやコデマリの仲間で、古くから庭木として使われてきました。五弁の小さな花がたくさん集まっている。
スイカズラ 吸葛、忍冬、金銀花 Lonicera japonica/
Japanese honeysuckle
スイカズラ科の常緑つる性低木。
アジア東部の温帯から暖温帯にかけて広く分布する。日本では北海道南部から九州までの各地に普通にみられ,ニンドウ(忍冬)の漢名でも知られる。花冠の色は初め白く,のちに黄色に変る。花筒の下部から蜜を出し,吸うと甘い。
サカキ Cleyere japonica ツバキ科サカキ属の常緑小高木。
東海地方から西の山林に生える。マサカキ、ホンサカキともいう。神道の玉串として使う。サカキは栄樹(常緑)ということで名付けられ、榊は神事に使うことであてられた字。ヒサカキは縁に細かい鋸歯があり見分けられる。
サワフタギ 沢蓋木 Symplocos chinensis form. pilosa/
Japanese turquoies berry
ハイノキ科ハイノキ属。
ルリミノウシコロシ(瑠璃実牛殺)、ウシノハナギ(牛鼻木)、アオダマノキ(青玉木)、ニシゴリ(錦織木)ともいう。山野に生える落葉低木。材は緻密で細工物にする。花期5〜6月。
ネムノキ 合歓木 Albizzia julibrissin/
silk tree
マメ科の落葉高木。アジア東南部に広く分布し,日本各地の原野や河岸などにみられる。樹高6〜10mに達する。夜間葉を閉じ,就眠運動をするのでこの和名がある。6〜7月に,枝先に十数個の頭状花序をつけ,夕方に淡紅色の長いおしべを多数もった花が傘形に集って開く。庭木として植えられるほか,材は柔らかくもろいが屋根板,桶,箱材として用いられる。
ノイバラ 野薔薇 Rosa multiflora
バラ科の落葉小低木で,ノバラともいう。
日本各地の山野に普通に生える。茎は高さ約2m,枝は伸びて先は垂れ,鋭いとげがあってよく他物にまつわりつく。葉は1〜4対の小葉から成る奇数羽状複葉で互生し,裏面に軟毛がある。葉の基部にある托葉は縁が櫛の歯のようになっている。春から夏に,枝先に円錐花序を出し,径約2〜3cmの白色5弁の花をつける。花はときに淡紅色を帯びる。果実は球形の偽果で,赤く熟し,それを干したものを営実(えいじつ)といい,漢方で下剤や利尿剤に用いる。
ハマナス 浜茄子 Rosa rugosa バラ科の落葉低木で,アジアの温帯から亜寒帯にかけて分布する。日本では北海道,東北,北陸,山陰地方の海岸砂地に生える。花が美しく,八重もあるので観賞用としても栽培される。高さは2m以内で,地下の側枝でふえ,大群落をつくる。枝にはとげを密生する。葉は奇数羽状複葉で互生し,小葉には鋸歯がある。花は紅色まれに白色,大型で枝の先に単生する。萼片は披針形,花弁は5枚あり,強い芳香がある。花後に大きな偽果をつくり,赤熟し肉質部はすっぱいが食べることができる。根皮はタンニンを含み染料となる。ハマナシ(浜梨)ともいう。
ヒトツバタゴ モクセイ科。別名ナンジャモンジャ、アンニャモンニャ、六道木。ヒトツバタゴは単葉(ヒトツバ)のタゴ(とねりこ)ということである。 笠置町姫栗地内市木のものは標高740メートル付近に単独で自生しています。樹高は約19メートル、幹の太さは目の高さで170センチメートルで大正12年に国の天然記念物に指定されている。中国、朝鮮、台湾に自生するが日本国内では対馬(上対馬の鰐浦に2000本位自生)と東濃地方のみ(明智4本、恵那20本、福岡3本、中津川11本、坂下16本、蛭川20本、瑞浪18本)である。五月中旬から下旬にかけ小さな無数の白い花を付け、遠くから見ると雪が積もったように見える。
ムクゲ 木槿 Hibiscus syriacus アオイ科の落葉低木。
ハチス,キバチス(木蓮)などともいう。中国,インド原産であるが日本には古く伝わり,生垣とされることが多く,また墓地や観賞用として庭木にもされる。高さ3〜5mになり,幹は灰白色で,直立して分枝し,枝はしなやかで強い。夏から秋にかけて,枝先の葉腋に短柄をもつ花をつける。花は朝開いて夕方には落ちる。いわゆる1日花であるが,次々に開花するので木全体としての花期は長い。花色は紅紫色が多いが,白色のものや八重咲きの品種もある。
ヤマアジサイ 山紫陽花 Hydrangea macrophylla var. acuminata ユキノシタ科の落葉小低木で,日本各地の山地に自生する。サワアジサイともいう。ガクアジサイの変種とされるが,母種に比べて枝が細く,葉も幅の狭い長楕円形で先端は尾のように伸びることが多い。夏に,大きな散房花序を出し,花序の直径は8〜10cm,外周部に淡青色の装飾花が並び,中心部には細かな青色の両性花が集る。