蓼科の植物


(98.5.30〜31撮影)
コイワカガミ 欧文つづり:Shortia soldanelloides
イワウメ科の常緑多年草。亜高山帯以下の岩場などに生え,短い根茎は横にはう。葉は長い柄があり,円心形で厚く,上面につやがあるため,これを鏡にたとえての命名という。初夏,高さ10cmぐらいの花茎を出し,その先に数個の淡紅色の美しい花をつける。花冠は長さ10〜15mm,先が細かく切れ込む。
コケモモ 欧文つづり:Vaccinium vitis_idaea; mountain cranberry
ツツジ科の常緑小低木で,北半球の寒帯に広く分布する。日本では北海道から九州までの高山帯に分布している。地下茎を伸ばし,茎は高さ5〜20cmほどで細く直立する。葉は全縁で厚く,長楕円形で長さ1〜2.5cmである。5〜6月に,枝の先端に短い総状花序をなして,淡紅色を帯びた白い鐘状の花を数個つける。4枚の花弁が合着し,先のほうだけが4つに分れている。おしべは8本ある。果実は液果で熟すると紅色になり,甘ずっぱく,生食するほか,塩漬にしたり,ジャムや果実酒にも用いられる。
マイヅルソウ 欧文つづり:Maianthemum dilatatum
ユリ科の多年草。ごく近縁のヒメマイヅルソウとともに北半球の冷温帯に広い分布をもち,日本では北海道,本州の高山帯,亜高山帯に群落をなして生える。地下茎は細長く地表近くに広がる。茎は高さ8〜25cmあり,花のつかない茎には1葉,花序のつく茎には2葉がつく。葉は卵心形,鋭頭,両面に毛がなく,縁の細胞が丸くふくれて波状にみえる。5〜7月に,茎の先に総状花序をつけ,白色の小さい花をつける。花被片4枚,おしべ4本。液果は小球形で赤く熟する。
コマクサ 欧文つづり:Dicentra peregrina; dicentra
ケシ科の多年草で,高山植物として珍重される。本州中部以北の高山砂礫地に生える。全体は粉白を帯びた緑色で葉はすべて根生し,細かく裂けている。夏,高さ10cmぐらいの花茎を出し,数個の紅紫色の花をつける。コマクサという名は細長い花冠の形が馬の顔に似ているためという。
ミネズオウ 欧文つづり:Loiseleuria procumbens; alpine azalea
ツツジ科の常緑の小低木。北半球の寒帯に広く分布し,本州中部以北の高山帯に生える。茎は細く,地上をはうように伸び,多数分枝する。葉は茎に密に対生し,長さ6〜8mm,厚質の長楕円形鈍頭で短い柄があり,縁は著しく外側に巻く。上面は深緑色,下面は白色をしている。夏,枝先に紅紫,淡紅または白色の小さな鐘形花を数個ずつつける。萼片は褐紫色で5枚。おしべは5本で葯(やく)が縦裂する。_果は径5mmほどの卵形で裂開する。
レンゲツツジ 欧文つづり:Rhododendron japonicum
ツツジ科の落葉低木。北海道南西部から九州にいたる温帯に分布し,山地の日当りがよく,あまり乾燥しない草地に群がって生える。観賞用にも栽培される。有毒成分があり,牧場などに生えても牛馬が食わないので残るため,ベコツツジともいい,また地方によってはイワツツジともいう。葉はよく分枝した枝の先にまとまってつき,長さ4〜8cmの倒卵披針形で軟らかく,淡黄緑色で毛が多い。葉の質感は他のツツジ類とはかなり違っている。初夏,若葉とともに朱橙色の花を多数つける。一面に咲くと,山が燃えるようで大変美しく,富士吉田登山道付近のものは天然記念物に指定されている。古くから栽培されているので黄花のものなど多くの品種がある。
ツマトリソウ 欧文つづり:Trientalis europaea; star_flower
サクラソウ科の多年草で,北半球の冷温帯に広く分布する。北海道,本州,四国の高山の針葉樹林帯に下草として生じる。地中に細長い白色の地下茎を伸ばし,茎は直立し高さ約10cmほどで,ほとんど分枝しない。広披針形の葉は長さ3〜7cmで茎の上部に数枚が輪生状に集ってつく。6〜7月,上部の葉腋に長さ2〜3cmの細い花柄のある白色花を開く。萼は7個の披針形の裂片に裂け,花冠は径1.5cmぐらい,7裂し平開する。おしべ7本,めしべ1本で,このような7という数は種子植物の花の基本数として珍しい。
ツルコケモモ 欧文つづり:Oxycoccus quadripetalus; cranberry
ツツジ科の小低木で,北半球の寒帯から亜寒帯,高山湿原などに広く分布する。日本では本州中部以北と北海道の高山の湿原にミズゴケなどとともに生える。茎は針金状で細く,横にはい長さ20cm内外,まばらに分枝する。葉は互生し,長さ3〜4cm,幅5mmほどの線形で縁は内側にめくれ,革質,常緑で表面に光沢がある。7〜8月頃,茎頂に淡紅色の小さい花を開く。花冠は長さ7〜10mmで,深く4裂し外側にそり返る。果実は径1cmほどの球形の液果で,赤く熟し表面に光沢があり,甘ずっぱみがあって生食するほか,ジャムの原料にもなる。
ミネザクラ 欧文つづり:Prunus nipponica
バラ科の落葉高木。本州中部以北の高山帯に生え,葉は長さ4〜8cmの倒卵形で縁にはあらい重鋸歯が目立つ。5〜6月,赤褐色の新葉と同時に淡紅色のサクラに似た花を2〜3個ずつ開く。果実は小さい球形の核果で,8月頃に黒く熟する。和名の嶺桜は高いところにある意味でタカネザクラとも呼ばれる。
イブキトラノオ 多年草。長い茎の先に、淡紅紫色か白色の小さな花が穂状になって咲く。和名は伊吹虎の尾で伊吹山に多いことで形が虎の尾に似ていることから。

車山(08.8.11)

マルバダケブキ キク科メタカラコウ属の多年草。
葉も花も大型で、高さは80〜120センチにもなる。根生葉は高さ30センチ幅40センチほどでフキの葉に似ている。頭花は直径8センチほどあり舌状花は10個内外。
コウリンカ キク科キオン属の多年草。
草丈は50cm〜60cm。葉は互生。「根生葉」は幅が広めのさじ形。長さは5cm〜10cm。花期は7月〜9月。茎の先に、数個〜10個程度の頭花をつけます頭花は直径3cm〜4cmほど。
シモツケソウ バラ科の多年草。根出葉と下部の茎葉とは羽状に数対の側小葉をつけ,先端の小葉(頂小葉)だけはさらに掌状に5〜7片に裂ける。茎の高さは50〜80cmとなり,互生する茎葉の基部には膜質の托葉が2片ある。夏に,茎頂に散房花序をつくって,細かな紅色の花を多数密集してつける。個々の花は径5mmほどで,通常は5弁,多数の長いおしべがあり,中央には数本のめしべがある。
ナンテンハギ
シシウド セリ科の大型の多年草。山地のやや湿った向陽地に生える。高さ2mに達し,枝先や葉裏の脈上には細毛がある。茎は直立し,円柱形で中空。葉は2〜3回羽状に分れ,葉柄の基部は鞘状にふくれて茎を抱き,茎の上部では若い花序を包んでいる。花は8〜10月に巨大な複散形花序をなして咲き,花序全体の直径は30cmにも達して,多数の白色小花がつく
ニッコウキスゲ もうほとんど終わっていました。
ミネウスユキソウ キク科ウスユキソウ属の多年草。
ハクサンフウロ フウロソウ科の多年草。一名アカヌマフウロ。夏に,径3cmぐらいの紅色の花が開く。5枚ある萼片は緑色で花弁より小さく,花弁も5枚で紅色の倒卵形,同属の他種に比して花弁の脈は目立たない。北海道産のエゾフウロの変種とされる。
カワラナデシコ ナデシコ科の多年草で,日本各地の山野に広く分布する。茎は直立し数本固まって生え,高さ50cm内外。葉は線形で対生し,まばらに分枝した先端に,淡紅色で直径4〜5cmの美しい花をつける。花弁は5枚で先端は糸状に裂ける。
クガイソウ ゴマノハグサ科の多年草。高原の草地に生じる。茎は根もとから数本立上がる。高さ1m内外。ほとんどが分枝せず,広披針形で鋸歯をもつ葉が4〜6枚ずつ数層にわたり輪生する。盛夏に,茎頂に穂状の花序をなして青紫色の小花を密につける。穂の長さは15cmに及ぶ。葉が何段にも重なってつくのでこの名がある
マツムシソウ
ワレモコウ
クルマバナ シソ科の多年草。原野に広く自生する。茎の高さ40〜60cm,ほとんど直立し,全草に短い粗毛をもっている。葉は対生し卵形で,波状の鋸歯がある。盛夏に,茎の上部の葉腋に,小さな桃色の唇形花が輪生する。
フシグロセンノウ
ヨツバヒヨドリ
ヤマハギ
ノアザミ
サワギキョウ
イブキトラノオ
イブキボウフウ
ヤマハハコ キク科の多年草で,北半球の冷温帯に広く分布する。主として亜高山帯の日当りのよい草地に生える。茎の高さは60cm内外で長い地下茎がある。葉は長さ6〜10cm,幅1cmほどの線状披針形で柄はなく互生する。質はやや厚く表面は深緑色で光沢があり,3本の脈が目立つ。裏面は茎とともに灰白色の綿毛におおわれる。初秋,茎の頂に多数の頭状花序を散房状につける。総包片は乾燥した膜質で上半部は白く,花序全体をそのまま乾燥して,いわゆるドライフラワーをつくる。
シラヤマギク
ヤナギラン アカバナ科ヤナギラン属の多年草で,ヤナギソウともいう。北半球の冷温帯に広い分布をもつ。日本では北海道と中部以北の高原の草地など,日当りのよいところに群生する。特に伐開地や山火事の跡など植生の破壊されたところに侵入する。茎は分枝せず,高さ1〜1.5mで直立する。葉は互生し披針形でやや大きく,形,質感ともにヤナギの葉に似ている。下面は粉白色で,縁にごく小さい鋸歯がある。7〜8月に,総状花序を頂生し,紅紫色の花を多数つけて美しい。萼片,花弁ともに4枚あり,おしべは8本で長い。花の下につく子房は線形で長く,花後に熟すると果となる。種子の先に長い白毛がある。葉がヤナギのように細長く、花がランを思わせることからこの名がついた。英名をファイアウィード(火事場の雑草)というが、これは山火事の焼け跡に最初に姿をみせることが多いことからつけられたものである。
シュロソウ ユリ科の多年草で,バイケイソウ属の1種。北半球温帯の林内や草地から高山草原にまで広く分布する。広楕円形で短い柄のある20〜30cmの葉を根もとから出す。葉の基部は鞘となり,冬は地上部が枯れるが,この葉鞘の脈がシュロ糸のようになって何年も残るので,この名がある。夏に,50cmあまりの花序を総状に出し,多数の6弁の小花を開く。花被片は紫褐色である。
ツリガネニンジン キキョウ科の多年草。茎は高さ40〜100cmに達する。形態に変化の多い植物で,根生葉は円心形であるが,茎葉は長楕円形,卵形,線状披針形などいろいろあり,鋸歯の形にも変化が多く,また葉序も通常は3〜4枚の輪生が多いが,互生,対生など株により非常に変異に富む。秋,円錐花序を頂生し,淡い青紫色で長さ2cmほどの鐘形の花を下向きにつける。地方によってはトトキと呼び,古くから若葉を食用にし,また根を干して薬用にした。