春山の花木

名前

漢字 写真

説 明

アオキ 青木 ミズキ科の高さ1〜2mの常緑低木。
葉はもとより根や幹の上部に至るまで青々としているところから名付けられた。雌雄別株。別名アオキバ。関東以南の山地、朝鮮に自生。
 アケビ  木通    アケビ科の落葉つる性木本。
アセビ 馬酔木 ツツジ科アセビ属の常緑低木。
別名アシビ、アセボ、アセミ、アシミ、シシクワズ。日本原産。本州の中部から、四国、九州にかけて分布。樹高は1〜3m位になる。時には5mに成ることもある。葉は互生し、光沢がある。濃緑色で長さ3〜6cm。先端はとがる。花期は3〜5月。名前は”足しびれ”→アシビ→アセビと転訛したのが一般説になっている。有毒植物で馬やウシが食べると中毒を起こす。有毒成分はアセボトキシン、アンドロキシン。葉の煎じ汁は害虫駆除に用いられる。園芸種も多い。
ウグイスカグラ 鶯神楽 スイカズラ科スイカズラ属の落葉低木。
日本のほぼ全域に分布し,山野に生える。幹は高さ1〜2mでよく分枝し,長さ3〜5cmの広楕円形の葉が短い柄で対生。葉は全縁で葉の縁はしばしば紅紫色を帯び,裏面は淡緑色である。春に葉柄から細い柄を垂らし,淡紅色の花を2個ずつつける。花冠は長さ2cm足らずの細長い筒形で,先端だけ5裂して平開し,めしべ1本と5本のおしべがのぞく。花後に長さ1cmほどの広楕円形の液果を1個生じ,グミのように赤く熟する。この果実に腺毛を密生するものをミヤマウグイスカグラと呼んで変種とする。この変種には果実だけでなく若枝や花柄,葉にも腺毛がみられる。庭木にも使う。ハスカップともいう。
ウワミズザクラ 上溝桜 長さ 6 〜 8 センチの総状花序を出し白い 5 弁のちいさな花をたくさんつけます。
 ウリカエデ      ムクロジ科カエデ属の落葉小高木。
ウリカエデは宮城県以南の本州、四国、九州に分布する。丘陵地帯の明るい二次林に生育する。樹皮は緑色であり、和名は樹皮をウリに例えたものという。葉は小さく、長さ4〜8cm。成木では卵形であるが、若木や伐採から再生した萌芽などでは3裂する。春、新葉の展開と同時に穂状の花序を付ける。果実には翼があり、赤く熟す。紅葉は黄色から赤色になる。
 ウリハダカエデ      ウリハダカエデは本州から九州に分布する落葉高木。丘陵地帯から山地の明るい夏緑樹林に生育する。斜面下部や谷筋などに多い。若い樹木の樹皮は緑色であり、縦に濃緑色の筋が入る。和名はこの樹皮をマクワウリに例えたもの。
オトコヨウゾメ スイカズラ科ガマズミ属の落葉低木。
コネソとも呼ばれ、丈は2m位になる。関東以南、四国、九州にかけ分布。若枝は赤色を帯びるが,古くなると灰色となる。葉は対生し,葉身は卵状楕円形で先は鋭くとがり,縁には鋸歯がある。葉質はやや薄く,青緑色であるが,乾くと黒色になる。裏面の脈状に白い長毛がまばらにつく。5〜6月に,短枝の先に散房花序を出し垂れ下がる。花冠は直径1cm以下,淡い桃色で美しく,先は5裂して平らに開く。秋に平らな広楕円形,赤色の核果がぶら下がってつく。
オニグルミ クルミ科の大高木で,日本各地の山地に広く自生する。また果樹として人家に植えることもある。高さ20mに達し,互生する葉は大型の羽状複葉で長さ30〜40cm,小葉の数は5〜8対ある。小葉は縁に鋸歯があり,若い葉では淡褐色の軟毛が密生している。春に葉の開く頃,長い緑色の尾状花序を垂らして多数の雄花がつき,雌花は枝の先端に数個が短い総状花序でつく。果実は径3cmほどの球形で黄緑色に熟し,中に堅い核がある。核には独特の深い皺がある。核内には発達した子葉種子があり,脂肪に富んでいて食用となる。
キリ ゴマノハグサ科の落葉高木。中国大陸の原産。大型の葉は全縁で浅く3〜5裂し,長柄で粘る毛をもつ。春,葉の開く前に大きな円錐花序を出し,淡紫色の美しい花を開く。花冠は大型の筒状で先が唇形となる。果実は卵形で木化し,2裂する。材は水を吸わず,火に強く軽くて木目も美しいので,たんす,箱,机,楽器,下駄,羽子板などと用途が多い。木炭はデッサン用,花火の火薬,懐炉灰に,樹皮は染料にする。
コウゾ クワ科コウゾ属の落葉低木。
和紙の原料にした木。山に自生する。西日本および朝鮮半島に分布。果実は食べられる。
コバノガマズミ スイカズラ科ガマズミ属の落葉低木。
高さは2〜4m。葉はガマズミより小型で細長く、長さ3〜10cm。葉柄が2〜4mmと短く基部に線形の托葉がある。別名ネソ、コバノヨソゾメ、コゴメギ。
 コバノミツバツツジ      
サルトリイバラ ユリ科のつる状低木で,東アジアの暖温帯に分布する。日本の山野に普通にみられる。地下茎は横にはって硬く,まばらにひげ根を出す。地上の茎は節ごとにジグザグに曲りまばらにとげがある。葉は径5〜10cmの円形ないし楕円形で,質が厚く表面に光沢がある。葉柄の基部には托葉があり,その先端が伸びて巻きひげになる。4〜5月に,葉腋から短い柄をもった散形花序を伸ばして多数の花を球状につける。内外の花被片は各3枚で黄緑色,長さ4〜5mmである。雌雄異株で,果実は紅色で丸く,内部に黄褐色の種子が入っている。根茎を乾燥したものを山奇粮(さんきらい)または土茯苓(どぶくりょう)と呼び,古くから皮膚病や梅毒の薬として用いられた。名称は茎にとげがあるので,サルがひっかかり捕えられるという意味
サンショウ 山椒 ミカン科の落葉低木。
日本各地の山中に生え,また人家に植えられる。高さ3mに達する。葉は5〜9対の小葉をもつ羽状複葉で互生し,独特の香りがある。葉のつけ根に1対のとげがある。雌雄異株。春,葉腋から短い複総状花序を出し,多数の黄緑色の小花をつける。花被片は5枚。秋に果実が熟し黒色の種子を出す。若い葉をすまし汁やあえ物に用い,種子を佃煮とし,また粉末にして香辛料とする。成熟した果実の果皮を乾燥したものが生薬の山椒で苦味チンキをつくり,芳香性健胃剤とする。
スイカズラ 忍冬,
吸葛
スイカズラ科スイカズラ属のツル性半常緑木本。
ニンドウ、キンギンカ、スイバナとも言う。花は最初は白色で2日ほど経つと黄色に変わるため白黄の入り乱れることから金銀花とも呼ばれる。花は芳香がある。葉や茎を漢方の忍冬として用いる。
シデコブシ 四手辛夷 モクレン科の落葉低木あるいは小高木。
丘陵地のやせ山に生える。高さ2〜3mになる。よく分枝し,長楕円形の毛の多い葉を互生する。春に小枝の先端に直径8〜10cmの淡紅色を帯びた白色又は淡紅色の大きな花をつける。花被は細長く12〜18枚もあってコブシなどに比べて繊細な感じがする。中国原産で庭木として栽植される。ヒメコブシともいう。中部地方のごく限られた地域に分布する
ズミ バラ科リンゴ属の落葉低木または小高木。
本州中部以北から北海道の山地や湿地のへりなどに多い。枝はやや下垂,樹皮は黒褐色で,とげ状の短枝を多数出す。葉は有柄で互生し,長楕円形ないし卵状長楕円形で縁に鋸歯がある。短枝の葉は先端が3〜7浅裂するのが普通であるが,まったく裂けないものもある。春に,新枝の先端に散形花序をなして3〜7個の白花をつける。径1〜2cmの5弁花でつぼみのときは紅色を帯び,大量に咲くので美しい。萼片は開花時に開いてそり返る。果実は秋に熟し,小球形で黄または紅色。樹皮を染料とするためズミ(染み)という。上高地ではコナシと呼ばれている。
ツクバネウツギ 衝羽根空木 スイカズラ科ツクバネウツギ属の落葉低木。
テンバグサともいう。本州,四国,九州北部の山地に多い。葉は長さ3〜5cmの卵形で,上半に波状の鋸歯があり対生する。5月頃,枝先に数個の黄白色の花をつける。花冠は筒状の鐘形で,基部は細くくびれ先端は広がって5つに浅く裂ける。5個の大きな萼片があり,花後も残存して羽根つきの羽根に似ており,また木の形がウツギに似ていることからこの名がある。大正年間に輸入された近似種のハナツクバネウツギは中国産の種類をもとに交配された園芸種で花期が長く,庭木や植込みなどに広く栽植されている。雑種であるため萼片の数が2片,3片,4片などまちまちである。近頃は市街地や高速道路のグリーンベルトの植込みに好んで使われている。
ナワシロイチゴ  苗代苺    バラ科の落葉低木。ちょうどイネの種を蒔く「苗代」を作る頃に果実が熟すので、ナワシロイチゴの名が付いた
ニシキギ 錦木 ニシキギ科の落葉低木。
アジア東部の温帯に広く分布し,日本各地の山野に自生する。枝は初め緑色で,のちに著しいコルク質の翼が2〜4列出る。葉は対生し,長さ4〜6cmの楕円形ないし倒卵形,縁に鈍鋸歯がある。5〜6月に,新枝の葉腋に葉より短い枝を伸ばし,淡黄緑色の小さな4弁花をつける。花弁は円形で,花の直径6〜7mmである。果実は長さ約8mmの楕円形で色は暗紫色,露出する種子は黄赤色の仮種皮に包まれて美しい。秋の紅葉と果実を観賞するため,庭木として栽植される。なお,枝に翼が出ないものをコマユミと呼んでいる。
ネコヤナギ 猫柳 ヤナギ科の落葉低木。
カワヤナギまたはエノコロヤナギともいう。アジアの温帯に広く分布し,日本各地の山地の渓流の水辺や平地の川岸などに生え,人家の庭にも植えられている。高さ2mほどで,根もとから多数分枝する。葉は長楕円形ないし披針形で,縁に微細な鋸歯がある。新葉には初め絹毛が密生するが,のちに上面は無毛となり,下面は絹毛が残って灰白色を帯びる。雌雄異株。早春に,新葉より先に尾状花序をなして,多数の無花被の小花をつける。花序には白銀色の絹毛が密生して美しいため,生け花に用いる。雄花はおしべ1本で基部に蜜腺が1個あり,雌花もめしべ1本と蜜腺1個から成る。本種は日本に自生するヤナギのなかで,最も早く開花する。
ハナイカダ 葉の中央に花を咲かせ、実を付けるおもしろい植物
ヒサカキ 非榊 ツバキ科ヒサカキ属の常緑高木。
庭木として栽植されることもある。早春に,短柄のある白色小花を葉腋に1〜3個集めて下向きにつける。花色は紫色を帯びることがあり,花は強いガスのような異臭を放つ。花には雄花,雌花および両性花があり,それぞれ別の株につく。果実は球形の液果で紫黒色に熟する。神事に用いられるのは同科別属のサカキであるが,東京付近から北の地方ではサカキがないので,このヒサカキを代用にしている。
ホオノキ 朴の木 モクレン科の落葉高木。日本の特産種で,各地の山地の林中に生える。幹は直立してそびえ高さ20m,直径1mにも達し,帯白色の樹皮をもつ。上方でまばらに分枝した枝には,倒卵形で長さ30cmに達する大きな葉をやや輪生状に集めてつける。葉の裏は粉をふいたように白い。5月頃,枝の端に径約20cmもの帯黄白色の花をつけ,強い香気を放つ。花弁,おしべ,めしべとも多数あり,タイサンボクの花に似ている。材は柔らかく黄色みを帯び,版木,刀の鞘,下駄の歯などに使われる。また古くから葉を握り飯や味噌などを包むのに用いた。
 ミツバアケビ 三葉木通     アケビ科の落葉つる性木本。
ミツバツツジ 三葉躑躅 ツツジ科の落葉低木。
関東,東海道,近畿に分布する。やや乾燥した日当りのよい山地に生育する。幹は高さ2mほどになり,枝は普通,車輪状に2〜4本に分岐して伸びる。葉は枝の先に3枚ずつ輪生し広卵菱形または広菱形で全縁,初めは毛があるがのちにほとんど無毛となる。4月頃,葉の開く前に枝先に紅紫色の花を2〜3個ずつつける。花冠は漏斗状で深く5裂し,花冠と同長のおしべが5本ある。葉柄,花柄,子房に腺毛があるのとおしべが5本ある点で他のミツバツツジ類(おしべは10本)と異なる。庭木や切り花として観賞される。
ヤマザクラ 山桜 バラ科の落葉高木。
本州の関東以西,南日本に分布し,変異が多い。山地に自生するが,しばしば栽植される。幹は高さ7m内外,樹皮は横に裂け,暗褐色,小枝は毛がない。葉は長楕円形で柄があり下面は粉白色を帯び,若いときには上面にまばらに毛がある。葉柄の上部に2個の点状の蜜腺がある。4月頃に,赤褐色の新葉と同時に短柄の散房花序を出し,淡紅色の花を開く。萼,花弁とも5枚でいずれも水平に開く。核果は紫黒色に熟する。材は建築,家具材など広く利用され,樹皮ははがしてたばこ入れなどをつくり,薬用にもされる。
ヤマブキ 山吹 バラ科の落葉低木。
幹は叢生し,高さ約2mになり,樹皮は緑色で,白色の髄が発達している。互生する葉は質が薄く卵形で,先端は尾状にとがり,不規則な重鋸歯縁をもつ。初夏,新しい枝の先端に1個ずつ径3〜4cmの黄色の花をつける。八重咲きのヤエヤマブキは結実せず,太田道潅の故事に出てくるのはこれである。また,シロヤマブキは葉が対生し,萼片や花弁が4枚の別属の植物である。ヤマブキは山振の意味で枝が風に揺れるところから来ている。
ヤマボウシ ミズキ科ミズキ属ヤマボウシ亜属の落葉高木。
高さ5〜10メートル。幹は灰褐色。葉は対生し、楕円(だえん)形または卵円形で、全縁でやや波打つ。花は6〜7月に開き、淡黄色で小さく、多数が球状に集合し、その外側に大形白色の総包片が4枚あり、花弁のように見える
 ムベ 宜    アケビ科の落葉つる性木本。